金継ぎとは主に漆を使い陶磁器やガラスを直す代表的な方法です。樹脂などを使った場合は修理後使用が出来ませんが、金継ぎの場合は食器として使用ができます。
金継ぎで使用する主な材料は、漆、小麦粉、砥の粉、地の粉
金、銀プラチナなどの粉です。
金継ぎの強度は一部カップの持ち手などは強度面で使用ができない場合がございますが、それ以外の陶磁器であれば普段の使用に耐えます。全ての直した器はレンジと食洗器は使えなくなります。
ヘラ木
器を傷つけないように陶磁器と比べて当たりが柔らかい木のヘラを使います。
蒔絵筆
欠けた面や細い線は蒔絵筆を使います。金継では大切な道具です。
刃物
陶磁器に付いた余分な漆を取る時はサンドペーパーはなるべく使用せず、刃物で切ります
漆
詳しくは、生漆と色漆を使います。生漆は錆漆を作る時に使い色漆な金などを蒔く時に使います
錆漆 さびうるし
錆漆は漆のパテのような物で欠けたりヒビの部分など欠片が無い部分を埋めるのに使います。
金属粉
金継ぎの仕上げで使う粉です。金の他に銀、プラチナ、スズ、銅があります。金は本金です。
錆漆です。陶磁器の金継ぎではおそらく一番使う素材ではないかと思います。中身は生漆と輪島塗の地の粉と砥の粉です。地の粉は多孔質なので、これを入れる事により錆漆の乾きが早くなり、砥の粉だけよりも強度が増します。
色漆は飴色の漆の中に色の顔料を入れて作ります。私は、金を蒔くための地塗りは黄色の漆を使っています。それは金継ぎ完成後普段使いの中で金が剥がれても下が黄色の漆なので剥がれを分かりにくくするためです。色漆自体も強いので表面強度が増します。
金継ぎで使う金は本金です。そのうえでマットな仕上げと光沢のある磨き仕上げがあります。写真は磨き仕上げで使う丸粉4号です。金継ぎ教室などではほとんど使わない粉のサイズです。金の厚みがある分光沢もきれいです。
金継ぎ依頼で来る器は一つ一つ形や色が違います。その器に対して全て金継ぎで直してしまうと器の雰囲気を壊してしまうことがあります。その為私は、色々な仕上げ方から器に合った修理方法を選び提案しています。
お客様から「金、一色しかないと思っていた」言った声が多いのでホームページなどで金継ぎの仲間の銀継ぎやプラチナ継ぎ、スズ継ぎ等また、例えば大きなかけの部分に蒔絵なども描く蒔絵直しも出来ます。日本の素晴らしい伝統技法を楽しんでいただければと思います。