金継ぎの他、銀やプラチナ継ぎ、スズ継ぎなど金属の粉を蒔く仕上げもいいですが、色漆でも仕上げることもできます。色漆直しの特徴は表面強度が金属系の粉を蒔く仕上げよりも強いです。
器に合わせて色をお選びいただけます。 特にマグカップやポットの取っ手を補強したときの仕上げにはお勧めです。摩耗に強く丈夫です。
漆直しは主に色漆と溜漆を使い仕上げる方法です。色漆は赤黒をはじめ、ベージュ、黄色、青、緑の6色です。溜色は陶器の飴色とよく似ている色です。溜漆の一番の特徴は下の地の色が透けて見えます。例えば下の地を赤色で塗り、溜漆を塗ると赤ワイン色の様になります。表面強度でいうと金継ぎ等の金属系よりも表面強度が強いです。
また仕上がりの感じも柔らかな感じがします。
●常滑焼のカップの赤茶色の色と漆の弁柄がよく合います。●縁が欠けたカップは欠片が無くなり漆で作りました。
●白のカップはベージュ色で仕上げました。●白地に黒漆仕上げはっきりとした見栄えです。
器の模様と合わせてもなじみます。梅の枝と漆の色が近いので茶色の漆で継いでみました。
事例をいくつかあげましたがガラスにも漆直しは合います。金継ぎや銀継ぎなどの仕上げもグラスには会います。ただ、色のついたグラスの場合、同系色の色漆も似合います。欠片が多くなると金では賑やかになりすぎますが、色漆で仕上げると落ち着いた雰囲気になります。
飴色の抹茶碗バラバラに割れたけど溜め漆を使い少し斑を作り朝焼けの感じを表現しました。ただ金継ぎで直すよりも面白いかなと思います。