「ベネチアングラスのステム部分の金継ぎ」
金継ぎのお問い合わせでイタリア旅行の際に購入したベネチアングラスの破損のお問い合わせがよく来ます。その中でも多いのがステムの細い部分が折れたという内容です。その部分はシンプルなものもあればイルカや白鳥の飾りがついている物もあり様々です。
修理後、グラスとして使用する場合はボウル部分と台座を直接つける修理になりますが
比較的普段使いよりも飾りで購入される方が多くオリジナルの形をなるべく残す修理方法を選ばれる方が多いです。
その場合写真の様につなぎ目付近を太くして補強をします。
ステムの部分にイルカのような飾りがついています。接着部分が二か所です。細かい欠片がなく上手く接着できないときは隙間を樹脂で埋めて接着周りを補強します。グラスに金が使われていましたら補強部分は金継ぎで仕上げます。シルバーで仕上げられている場合は銀継ぎで仕上げデザインを邪魔せず馴染ませ仕上げます。
このグラスの場合は一番細い部分で割れています。くびれている部分です。接着後、くびれた部分に樹脂を入れて補強しました。補強を入れたとはいえ修理後は飾りになります。
補強を入れず少しでも強度を強く
その場合はデザインが壊れない程度に接着面の大きい部分まで平らに削り接着します。
このグラスは接着作業で仕上げました。透明なステムの部分を削り花瓶として使える強度が得られるようにしました。グラス類でも同じ方法が出来ますが、高さは低くなります。お値段は6600円ほど