コップの内側のヒビについて
金継ぎの作業において修理をするか迷う場所があります。特に湯呑やマグカップの内側のヒビです。
なぜ迷うか?
この部分は使用時に常にお茶やコーヒーなどに触れた状態になっています。その為ヒビに茶渋がたまるのと同じように金継ぎをした時も同様に金継ぎの上から茶渋などが付きヒビに茶渋が付いた時よりも金継ぎ後に茶渋が付いた時のほうが汚れなどが目立つためです。
その為金継ぎを途中で止めることが多いです
例外もありますが、内側にヒビがある器の場合は縁から2~3cm内側に入った部分で金継ぎを止めたほうがいいと思います。
途中で金継ぎを止めることによる心配な事
内側のヒビから液体が内部にしみ外側から漏れてきませんか?といった質問が多いです。対策は外側のヒビを中心に修理します。深めの溝を作り漆を入れて漏れを防ぎ強度を高めます。
ヒビの状態や器の種類により内側もすべて金継ぎをする場合もあります。
手で触りヒビの部分に段差が生じている器、器の素地が柔らかく水がしみこみやすい器等。このような器は内側のヒビの部分も金継ぎをします。
汚れが付いた時は漂白も可能
コップ内側に茶渋などが付いた時は内側だけに漂白剤を入れることが可能です。その時は金継ぎに漂白液が掛からないように気を付けてください。
内側すべて金継ぎをした器は漂白ができませんのでご注意ください。
ヒビの金継ぎ方法
ヒビの修理方法は外側のヒビに溝を作り漆を入れます。漆が内部で乾くことにより強度を上げ漏れをふさぎます。
写真のように内側の金継ぎを途中で止めてあっても外側すべて金継ぎがされています。